日本大百科全書(ニッポニカ) 「キューン」の意味・わかりやすい解説
キューン
きゅーん
Alfred Kühn
(1885―1968)
ドイツの実験動物学者。フライブルク大学卒業。ゲッティンゲン大学教授、カイザー・ウィルヘルム研究所(現、マックス・プランク研究所)所長、チュービンゲン大学およびマックス・プランク研究所教授などを歴任し、ドイツ動物学の指導者として研究・教育に携わり、全世界的な影響を及ぼした。ドイツ流の緻密(ちみつ)かつ構成的な学風をもって下等動物の感覚生理学をはじめ、昆虫の遺伝生化学的研究、ヒドロ虫の発生などの広範な分野にわたり優れた業績を残した。教育面での貢献も目覚ましく、一般動物学、発生学の教科書は名著として知られ、第二次世界大戦前後の日本の動物学の教科書で、これらの影響を受けないものはないとされている。
[竹内重夫]