ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「キンギ」の意味・わかりやすい解説
キンギ
Kingi, Wiremu
[没]1882.1.13. カインガル
ニュージーランドのマオリ族のテ・アテアワの首長。植民地政府の土地買収政策に反対し,マオリ族の抗戦を指導した。 1833年頃キリスト教徒となったが,白人にマオリ族の土地を奪われることを恐れ,47年タラナキ州のワイタラ地区を総督 G.グレーに譲渡することに反対した。しかし 60年総督 G.ブラウンがマオリ族の土地に関する習慣 (首長が配下の者の土地の売買に拒否権を有する) を無視して強引に収用したため,キンギはワイカトのマオリ族の老首長でマオリ王運動の指導者ポタタウ1世 (テ・ウェロ・ウェロ) と結んで決起し,第1次タラナキ戦争 (1860~61) ,ワイカト戦争 (63~64) を戦い,72年まで抵抗を続けた。死後彼の主張の正しさが認められ,1926年政府はタラナキ州で没収した土地に対し,毎年 5000ポンドの補償を定めた。 (→マオリ戦争 )
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