改訂新版 世界大百科事典 「ギョリュウバイ」の意味・わかりやすい解説
ギョリュウバイ
tea tree
Leptospermum scoparium Forst.
花木として,日本ではもっぱら鉢物で栽培される常緑小低木のフトモモ科の花木。
ネズモドキ属Leptospermum(英名south-sea myrtle)はオーストラリアを中心にタスマニア,ニュージーランドからマレーシア地域にかけて約30種が知られ,ウメに似た美しい花をつける種が多い。ほとんどの種は低木だが,高さ10mほどの高木になる種もある。花屋でギョリュウバイと名づけて売っているのは,レプトスペルマム・スコパリウムL.scoparium Forst.である。この種はニュージーランド,オーストラリア原産で,春に開花する花は直径0.6~2.5cm,通常白色で,葉腋(ようえき)に1個ずつつく。しかし園芸品種には深紅色や桃色の品種も育成され,また八重咲きや高さ30cmほどの小型の品種もある。他にネズモドキL.ambiguum Sm.など数種が欧米では花木として栽植される。耐寒性はあまりなく,温室植物として扱われるが-4~-3℃までは枯れない。繁殖は挿木と実生によるが,種子はツツジのように微細である。
執筆者:堀田 満
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報