クメン法(読み)くめんほう(英語表記)cumene process

日本大百科全書(ニッポニカ) 「クメン法」の意味・わかりやすい解説

クメン法
くめんほう
cumene process

クメンイソプロピルベンゼン)を原料として、フェノールアセトンとを同時に得る方法。クモール・フェノール法ともいう。プロピレンベンゼンとをリン酸または塩化アルミニウムなどの触媒下で反応させ、得られるクメンを空気酸化してクメンヒドロペルオキシドとし、次にこれを硫酸、リン酸などの希酸と加温すると、容易に分解して目的物が生成する。フェノールの合成法には、ベンゼンのスルホン化のあとアルカリ溶融する、塩素化ののち加水分解する、またはシクロヘキサンからシクロヘキサノールを経て脱水素する、など各種の在来法が多いが、クメン法は経済性などの優位さのために世界的に主流となっている。

[松田治和]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

マイナ保険証

マイナンバーカードを健康保険証として利用できるようにしたもの。マイナポータルなどで利用登録が必要。令和3年(2021)10月から本格運用開始。マイナンバー保険証。マイナンバーカード健康保険証。...

マイナ保険証の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android