日本大百科全書(ニッポニカ) 「クモガタヒョウモン」の意味・わかりやすい解説
クモガタヒョウモン
くもがたひょうもん / 雲形豹紋蝶
[学] Nephargynnis anadyomene
昆虫綱鱗翅(りんし)目タテハチョウ科に属するチョウ。北海道から九州にわたって分布、外国では朝鮮半島、アムール地方、中国に産し、アジアの特産種。はねの開張は70ミリメートル内外。大形ヒョウモンの1種で、はねの表面の黒斑(こくはん)の形と配列に特徴があり、また後ろばね裏面の雲状斑も特異で、和名はこの斑紋からきている。年1回の発生、日本南西部の暖地では5月上旬から中旬にかけて現れ、羽化後はしばらく活動して花などを訪れ、酷暑期には休眠に入って姿を消す。秋になって涼しくなるとふたたび現れて活動するが、この時期のものははねが傷んでいる。幼虫の食草はスミレ類。越冬態は1齢幼虫といわれる。
[白水 隆]