クルスクの戦い(読み)クルスクのたたかい(その他表記)Battle of Kursk

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クルスクの戦い」の意味・わかりやすい解説

クルスクの戦い
クルスクのたたかい
Battle of Kursk

第2次世界大戦中,1943年7月5日から8月初めにかけて,ドイツ軍とソ連軍がクルスク周辺で戦った史上最大の戦車戦。 43年3月,ドイツ軍はモスクワ正面から撤退し,スモレンスク付近で戦線を縮小した。しかし,南部反攻が限定的な成功を収め,クルスク周辺にソ連軍の突出部ができた。ヒトラーは,大攻勢によってソ連軍を包囲撃滅し,東部戦線におけるイニシアチブを奪回する好機であると判断,7月5日,17個戦車師団を投入し,攻勢に出た。しかし,12日に攻撃は失敗し,ドイツ軍は後退をはじめた。この日ソ連軍が攻撃を開始,8月5日ドイツ軍はオリョールを放棄した。ヒトラーの賭けは失敗し,ドイツ軍は7月5日から 16日の間だけで,7万人の戦死傷者を出し,戦車 3000両,砲 1000門,装甲車両 5000台,航空機 1400機を失った。以後,東部戦線では2度と大規模な攻撃作戦をとれず,東部戦線の崩壊を早めた。

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