改訂新版 世界大百科事典 「クレーン秤」の意味・わかりやすい解説
クレーン秤 (クレーンばかり)
craine scale
クレーンで物を持ち上げ運搬している間に物の質量を計量するはかり。簡易にはクレーンのフックと物との間に〈つりばかり〉をはさむが,巻上機を載せたトロリー,あるいはクレーンワイヤに働く力を直接またはジブを介して〈てこばかり〉に負荷させるさお式とロードセルに負荷させるロードセル式とがある。クレーンの機能に制限を与えず,計量のスピード化,自動化に適したロードセル式が広く使われる。秤量は0.5~300t,精度は1~0.05%。物の状態によってはフックに替えクラブやバケットを用いる。ワイヤに働く力を負荷とするものでは,ワイヤの巻上げに応じたワイヤの自重変化補償が必要。過負荷によるクレーンの転倒,ワイヤの切断などは人身事故の原因となるので,クレーンばかりには計量にかかわる計量法規のほか,労働安全衛生法規による規制がある。
執筆者:小林 好夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報