転倒(読み)テントウ

デジタル大辞泉 「転倒」の意味・読み・例文・類語

てん‐とう〔‐タウ〕【転倒/×顛倒】

[名](スル)《古くは「てんどう」とも》
さかさまになること。また、さかさまにすること。「上下関係が―する」「主客―」「本末―」
倒れること。「つまずいて―する」
あわてふためくこと。動転。「気が―する」
《「てんどう」と読む》仏語。正しい理に反すること。道理にそむく考え。
[類語]転覆横転横倒し反転将棋倒し倒れるひっくり返るくつがえ転がる転げる転ぶける倒壊卒倒昏倒こんとう潰れる

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精選版 日本国語大辞典 「転倒」の意味・読み・例文・類語

てん‐とう‥タウ【転倒・顛倒】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「てんどう」とも )
  2. 本来の順序がさかさになること。ひっくりかえること。また、そうすること。
    1. [初出の実例]「語の顛倒したり賛や論のあらい事もあるぞ」(出典:史記抄(1477)三)
    2. [その他の文献]〔詩経‐斉風・東方未明〕
  3. たおれること。また、たおすこと。顛跌(てんてつ)
    1. [初出の実例]「宇佐宮宝殿去四月二十二日依大風顛倒事也」(出典:日本紀略‐長元五年(1032)七月二〇日)
    2. [その他の文献]〔荀子‐仲尼〕
  4. 平常の落ち着きを失ってうろたえること。度を失うこと。転動。動転。
    1. [初出の実例]「臨終の時に心顛倒せずして即極楽に生る」(出典:観智院本三宝絵(984)下)
  5. 荘園・所領等の正当な所有権が奪い去られること。
    1. [初出の実例]「件庁屋修理料田畠同被顛倒畢」(出典:醍醐寺文書‐仁治二年(1241)四月二四日・官宣旨案)
  6. ( この場合は「てんどう」と読む ) 仏語。煩悩のために道理にそむくこと。真理に反すること。特に世間のものが無常であるのに永遠(常)であるとし、苦であるのに楽であるとし、無我であるのに我があるとし、不浄であるのに清浄(浄)であると見て、それにとらわれることを四顛倒という。
    1. [初出の実例]「従顛倒衆生以下、釈顛倒。可見」(出典:勝鬘経義疏(611)顛倒真実章)
    2. 「妄想顛倒(テンダウ)の嵐はげしく」(出典:発心集(1216頃か)七)

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デジタル大辞泉プラス 「転倒」の解説

転倒

英国の作家ディック・フランシスのミステリー(1974)。原題《Knock-Down》。競馬界を舞台にしたシリーズの第13作。

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普及版 字通 「転倒」の読み・字形・画数・意味

【転倒】てんとう

たおれる。

字通「転」の項目を見る

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