クーケバッケル(その他表記)Coeckebacker, Nicolaes

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クーケバッケル」の意味・わかりやすい解説

クーケバッケル
Coeckebacker, Nicolaes

17世紀初めのオランダの植民地行政官。初めジャワのバタビアの総督府秘書官をつとめ,次いで寛永 10 (1633) 年から同 16年まで,ファン・サンテンの後任として,平戸のオランダ商館長をつとめた。商館長に着任早々,江戸幕府から白糸割符 (→糸割符 ) 貿易法を申し渡されて受入れ,また同 14年に起った島原の乱に際しては,大砲火薬を幕府に提供し,さらにみずから軍艦『レイプ』号に乗組み,原城砲撃するなど幕府に協力した。彼の島原の乱参戦日記の一部は,文政年間 (1818~30) オランダ通詞吉雄如淵によって翻訳され,『天馬異聞』と題して刊行された。その平戸在任中の日記の完訳は『日本関係海外史料』所収。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「クーケバッケル」の解説

クーケバッケル Couckebacker, Nicolaes

1597-? オランダの平戸商館長。
1597年3月6日生まれ。寛永10-16年(1633-39)在任。糸割符(いとわっぷ)貿易法,オランダ船出帆期日の制限などの幕府の要求をうけいれ,島原の乱には原城の砲撃を指揮して幕府の信頼をえる。後年,その参戦日記を吉雄権之助が「天馬異聞」として訳出した。デルフト出身。

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