グアダラハラのオスピシオ-カバーニャス(読み)グアダラハラのオスピシオカバーニャス

世界遺産詳解 の解説

グアダラハラのオスピシオカバーニャス【グアダラハラのオスピシオ-カバーニャス】

1997年に登録された世界遺産(文化遺産)。メキシコ中部、ハリスコ州の州都グアダラハラにある。オスピシオ・カバーニャスは、孤児、身体障害者、老人、慢性疾患患者などを救済する施設として、1810年に完成した。病院や作業所を併設した画期的な施設で、施設内の礼拝堂は豪華な絵画で飾られていた。20世紀前半には、メキシコの画家ホセ・クレメンテ・オロスコ(1883~1949年)によって、施設の壁や天井に「炎の人」など100点以上の絵が描かれた。虐げられた者の怒りと悲しみを、力強いタッチで描いたこれらの作品は、施設に暮らす人々の心を癒し、勇気づけた。一時は、3000人もの孤児が生活していたこの救貧施設は、1980年にその役割を終えたが、メキシコにおける福祉政策のモデルとなったことが評価され、世界遺産に登録された。◇英名はHospicio Cabañas, Guadalajara

出典 講談社世界遺産詳解について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android