グリセリン酸(読み)ぐりせりんさん(英語表記)glyceric acid

日本大百科全書(ニッポニカ) 「グリセリン酸」の意味・わかりやすい解説

グリセリン酸
ぐりせりんさん
glyceric acid

ヒドロキシカルボン酸の一つ。2,3-ジヒドロキシプロピオン酸の別名。不斉(ふせい)炭素原子をもっているので、光学異性体のD体、L体およびラセミ体(DL体)が存在する。ラセミ体のグリセリン酸グリセリン希硝酸により酸化すると得られる。いずれの光学異性体も、無色の粘性が大きいシロップ状の液体で固化せず、また蒸留すると分解する。化学式HOCH2CH(OH)COOH、分子量106.1。水、エタノールエチルアルコール)、アセトンに溶けるが、エーテルベンゼンには溶けない。D体の水溶液は右旋性、L体の水溶液は左旋性を示すが、金属塩とすると旋光性の向きが逆になる。グリセリン酸のリン酸エステルは糖代謝の重要な中間体である。

[廣田 穰]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

ぐんまちゃん

群馬県のマスコットキャラクター。人間だと7歳ぐらいのポニーとの設定。1994年の第3回全国知的障害者スポーツ大会(ゆうあいピック群馬大会)で「ゆうまちゃん」として誕生。2008年にぐんまちゃんに改名...

ぐんまちゃんの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android