改訂新版 世界大百科事典 「グループダイナミクス」の意味・わかりやすい解説
グループ・ダイナミクス
group dynamics
集団力学あるいは社会力学などと訳される。集団と個人との相互依存関係を実証的に研究し,一般的法則を見いだそうとするものである。集団に関する調査・実験・臨床研究がなされるようになったのは1920-30年代のアメリカであり,レウィンKurt Lewin(1890-1947)を中心とする社会心理学者によって体系化された。レウィンは集団を心理学的な力の場であるとし,個々の事象を集団の構造との関係でとらえようとする〈場の理論field theory〉を提唱した。グループ・ダイナミクスによる主要な研究としては,集団の凝集性,集団圧力と集団標準,集団目標,集団移動,集団の構造的特性,リーダーシップなどに関する実験的分析がある。1945年,グループ・ダイナミクス研究所Research Center for Group Dynamicsがマサチューセッツ工科大学(のちにミシガン大学に移転)に創設され,集団過程の理論的・応用的研究がなされた。
執筆者:高峰 慧
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報