ケニア・キバキ政権(読み)けにあきばきせいけん

知恵蔵 「ケニア・キバキ政権」の解説

ケニア・キバキ政権

2002年12月に行われた大統領選挙、国会議員選挙で、1978年から続いたA.モイ:ケニア・アフリカ民族同盟(KANU)政権に代わり、野党連合からなるムワイ・キバキ:国民虹の連合(NARC)政権が誕生した。勝因はモイ長期政権下で起こった腐敗汚職、経済政策の失敗のほか、党員の自由投票による大統領候補選出を無視して、モイが一方的に後継者を指名したことに対するKANU内の反発閣僚の一斉辞任、さらに過去の失敗を教訓として野党が大同団結できたことにある。新政権は直ちに腐敗防止委員会を設置、また大統領権限をチェックする首相職を置く憲法見直し委員会を発足させた。同委員会は04年3月、大統領権限を大幅に縮小する草案(ボーマス案)を提出したが、これに対抗し、大統領は国会議員から成る国会選抜委員会を設立、ボーマス案を骨抜きにした修正案を05年7月に提出した。これをめぐり同年11月、国民投票が実施されたが、修正案は賛成43%、反対57%で否決された。

(林晃史 敬愛大学教授 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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