ケルメス酸(読み)ケルメスサン

化学辞典 第2版 「ケルメス酸」の解説

ケルメス酸
ケルメスサン
kermesic acid

C16H10O8(330.25).ブナ科Quercusilexに寄生するエンジ虫Kermococcus ilicis L.の雌の体中に存在する紅色色素カルミンの一成分.乾燥体中に約1% の割合で存在する.れんが色の針状晶(水または酢酸).融点250 ℃(分解).λmax 292,498,538 nm(log ε 3.73,3.04,2.94.エタノール).水に不溶,エタノール,氷酢酸に易溶,エーテルに可溶,濃硫酸に難溶.上記の昆虫を加熱乾燥したものはケルメス(kermes)とよばれ,羊毛を直接染めると黄色となるが,Sn,Alなどで媒染すると紅色となる.ケルメスはフェニキア人によって使用され,聖書にも記載されているもっとも古い染料の一つであるが,現在はほとんど用いられなくなった.[CAS 18499-92-8]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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