改訂新版 世界大百科事典 「ゲーラジュンケイロ」の意味・わかりやすい解説
ゲーラ・ジュンケイロ
Abílio Manuel de Guerra Junqueiro
生没年:1850-1923
ポルトガルの詩人。コインブラ大学卒業後官吏の道をえらんだ後に代議士,ベルン駐在公使となるが,晩年は病気のため公職を去る。少年の頃から詩才を示していた彼は,詩集《ドン・フアンの死》(1874),《老いたるエテルノ神父》(1885)によってポルトガル最大の詩人の一人,当代一流の詩人と言われた。彼の詩には幼いときに受けた宗教教育の影響が陰に陽に認められ,《老いたるエテルノ神父》には聖職者に対する鋭い風刺がこめられている。現在ではこの詩人の作品に対する技術と内容の両面からかなり強い否定的な批判がなされており,文学的価値は認めながらも,彼が生きていた頃の評価は過大評価であるとされている。ほかに《純朴なる人びと》(1892),《パンの祈り》(1902),《光に祈る》(1903)など。
執筆者:池上 岑夫
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