小切子(読み)コキリコ

デジタル大辞泉 「小切子」の意味・読み・例文・類語

こ‐きりこ【小切子/×筑子】

日本の民俗楽器。長さ20~30センチの竹棒を両手1本ずつ持って打ち鳴らす。古くは放下僧ほうかそうが用いたもので、現在は各地民俗芸能に残る。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「小切子」の意味・わかりやすい解説

小切子/筑子 (こきりこ)

日本の楽器。中世ごろから使用された竹製の打楽器。とくに踊り手が両手に持って打ち合わせたり,曲打ちのようなことをしたりしておもしろく拍子をとったもの。大道芸一種である放下ほうか)の特技として知られ,〈月見つつうたふはうかのこきりこの竹の夜声のすみ渡る哉〉(《七十一番歌合》)などとうたわれている。《嬉遊笑覧》では竹筒の中にアズキ粒を入れたものなどもあったという。現在は静岡市葵区平野の盆踊,富山県五箇山の〈こきりこ踊〉などの民俗芸能のなかで用いられ,新潟県柏崎市女谷(おなだに)の〈綾子舞〉の演目にも〈こきりこ踊〉がある。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android