日本大百科全書(ニッポニカ) 「コッカースパニエル」の意味・わかりやすい解説
コッカースパニエル
こっかーすぱにえる
cocker spaniel
哺乳(ほにゅう)綱食肉目イヌ科の動物。家畜であるイヌの1品種。名の由来はヤマシギcock猟に用いられたことで、おもに鳥猟をするスパニエル族のなかでもっとも小形である。原産地はイギリスで、そのイングリッシュコッカースパニエルがアメリカに渡り、新たにアメリカンコッカースパニエルが作出された。イングリッシュのほうはアメリカンに比べ口吻(こうふん)部が長く、飾り毛が少なく、より実用的タイプである。毛色はブラックエンドタン、ローン、斑(はん)などで、大きさは体高38~43センチメートル。一方、アメリカンのほうはイングリッシュに比べると、実猟犬としてよりはショードッグや家庭犬として改良作出されてきた。頭部はより丸く、目もより大きく丸い。さらに飾り毛も長く豊富で、これらは猟野向きの体形ではない。毛色は黒、レバー、赤、バフ、斑、ブラックエンドタンなどで、たいへん美しい犬種である。大きさは体高約33~40センチメートル。両種とも断尾する。
[増井光子]