改訂新版 世界大百科事典 「コッタ会社」の意味・わかりやすい解説
コッタ[会社]
J.G.Cotta'sche Buchhandlung
1659年コッタJohann Georg Cotta(1631-92)によりチュービンゲンに設立された文芸・学術書を中心とするドイツの出版社。1977年以降クレット社の文芸・学術部門と合併してクレット・コッタ社になっている。現所在地はシュトゥットガルト。18世紀後半から19世紀中葉にかけての盛期には古典主義のゲーテ,シラー,ロマン主義のF.シュレーゲル,さらにはヘルダーリン,クライスト,ジャン・パウルなどの作品を世に問うとともに,諸分野の学術書も多数刊行していた。また,日刊紙《アルゲマイネ・ツァイトゥングAllgemeine Zeitung》の刊行でも知られた。しかし1867年それらの作家の版権が消滅すると勢いを失いはじめ,ビスマルクの《回想録》などのヒットもそれをくい止められなかった。第2次大戦後はゲーテやW.フンボルトの全集,シラーの《ホーレン》などの文芸誌の復刻,文芸・思想誌《メルクーア》をはじめとする各種雑誌の刊行などを行っている。
執筆者:井上 修一
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報