日本大百科全書(ニッポニカ) 「シュトゥットガルト」の意味・わかりやすい解説
シュトゥットガルト
しゅとぅっとがると
Stuttgart
ドイツ南西部、バーデン・ウュルテンベルク州の州都。人口58万8500(2002)。シュツットガルトとも書く。ネッカー川中流左岸、北東―南西方向の細長い盆地状の凹地に位置し、市街地の三方は森林や果樹園の多い丘陵地。北東部のみネッカー川に向かって開いており、対岸には大量の湧水(ゆうすい)を誇る鉱泉がある。12世紀から19世紀の間、公爵領、大公領、王国の首都として拡大を続け、政治、経済、文化などの中心地としての機能を高めたが、第二次世界大戦後の1953年以降は州都としての諸機能がますます充実している。その一方で、19世紀末に電気機器のボッシュ、自動車のダイムラーなどが工場を設けてから、商工業を軸とした都市成長も目覚ましく、周辺市町村を合併して市域を著しく拡大し、ドイツでも有数の人口・商工業稠密(ちゅうみつ)地帯をなすネッカー川中流域工業都市群の中核都市となっている。
[朝野洋一]
歴史
シュワーベン大公の養馬場からおこり、13世紀に都市となった。15世紀なかばにはウュルテンベルク伯の居住地として栄え、市庁舎や造幣所が建てられて、人口約6000を擁した。16世紀の発展は三十年戦争で中断し、1万の人口は半減した。19世紀にウュルテンベルク王国の首都として政治と文化の中心地になり、19世紀後半から染料、機械、精糖、電気機器、自動車工業がおこった。第二次世界大戦後は一時(1945.7.8~46.12.31)アメリカ占領地区に入った。出版業者コッタ、哲学者ヘーゲル、詩人ウーラント、メーリケらの生地である。
[諸田 實]