日本大百科全書(ニッポニカ) 「コナン・シリーズ」の意味・わかりやすい解説
コナン・シリーズ
こなんしりーず
Conan series
アメリカのSF作家で、ヒロイック・ファンタジーの創始者、ロバート・E・ハワードの代表作。1932年から『ウィアード・テールズ』誌に中、短編が18編発表され、没後、スプレイグ・ド・キャンプとリン・カーターの手によって多数の遺稿が校訂、補筆のうえ『コナンと髑髏(どくろ)の都』など7巻が刊行された。いまを去ること1万2000年のハイボリア期(架空)、有史前のアフリカとユーラシア大陸は地続きで、地中海は存在していない。その広大な大陸には文明国(ローマ帝国程度の)と蛮地が混在していた。北方の荒野キンメリアに生まれた野蛮人コナンは、超人的体力と剣技と勇気をもって、あるときは傭兵(ようへい)として、あるときは盗賊として、あるいは国王として、海賊として、縦横無尽の活躍をする。当時は魔道士や妖術(ようじゅつ)使いが黒魔術を行使し、その招きに応じて異次元の世界の怪物や邪悪な太古の邪神が出現する時代で、コナンの敵はまさにそうした超自然の悪である。剣と魔法がしのぎを削る凄絶(せいぜつ)な戦いが展開する。
[厚木 淳]
『宇野利泰訳『コナン・シリーズ』全7冊(創元推理文庫)』