大学事典 「コルドバ宣言」の解説
コルドバ宣言
コルドバせんげん
1918年にアルゼンチンのコルドバ大学(アルゼンチン)での大学紛争の際に,学生たちが発表した大学改革の理念を示した宣言文。ラテンアメリカ全域の大学において学生の共感を得て,20世紀前半期を通じて,この地域全体の大学改革運動(アルゼンチン)の理念と基本戦略となる。宣言は,旧来の大学管理のあり方を雄弁かつ激烈な調子で批判するとともに,学生こそ大学の主体であり,改革の担い手であるという原則を表明する。その後,全国学生会議やラテンアメリカ諸国の学生代表を結集した国際会議の場での議論をへて,その理念が具体的改革要求へと結実された。具体的な内容は大学の自治,教授・学生・卒業生の3者による共同管理,公募による教授採用,授業出席の自由化,大学教育の無償制,教育方法の改善,非選抜的入学方式,大学拡張講座の開設,国の政治・社会・経済的問題の解決への大学の貢献などである。改革運動は必ずしも順調に進展しなかったが,そのたびにコルドバ宣言の原点に立ち返ることが呼びかけられた。国立教育研究所『研究集録』第11号(1985年8月,187-196頁)に「1918年『コルドバ宣言』」(全訳)が紹介されている。
著者: 斉藤泰雄
出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報