日本大百科全書(ニッポニカ) 「コロシントウリ」の意味・わかりやすい解説
コロシントウリ
ころしんとうり
colocynth
[学] Citrullus colocynthis Schrad.
ウリ科(APG分類:ウリ科)の多年生つる草。スイカと同属で、葉も花もスイカに似る。茎は地をはったり、巻きひげでほかのものによじ登ったりする。果実は球形で径約10センチメートル、未熟なときは緑色でまだらの紋があり、成熟するとやや黄色になる。中に柔らかい海綿状の果肉と、扁平(へんぺい)な卵形で白色あるいは褐色を帯びた多数の種子がある。北アフリカ、熱帯アジアの原産で、地中海地域とインドで栽培される。完熟前に果実を採取し、外果皮を除いて乾燥したものをコロシント実(じつ)と称し、薬用にする。苦味配糖体コロシンチンを含むため、たいへんに苦い。少量を峻下(しゅんげ)薬として用いると、2~3時間で大量の水様性便が出る。多量に用いると激しい腹痛と衰弱がおこり、血便が出る。
[長沢元夫 2020年2月17日]