コンキスタドレス(読み)こんきすたどれす(その他表記)Conquistadores スペイン語

日本大百科全書(ニッポニカ) 「コンキスタドレス」の意味・わかりやすい解説

コンキスタドレス
こんきすたどれす
Conquistadores スペイン語

征服者(コンキスタドールConquistadōr)の複数形。コロンブスの「発見」(1492)によりスペイン領とされた南北アメリカ大陸に渡り、先住民(インディオ総称征服、地理的探検、植民地経営などの活動を行ったスペイン人をさす。彼らのなかには、先住民のキリスト教徒化を目ざす者も多かったが、大勢は金・銀など貴金属略奪採掘を目的とした。キリスト教への改宗およびスペイン人への服従を拒否する先住民は、神と国王に対する反逆者とみなされ、コンキスタドレスが彼らを殺戮(さつりく)したり、あるいは奴隷として大農園、鉱山などで酷使することは正義にかなうものとされた。16世紀を通じ年平均1万5000人が渡航したとされ、代表的人物に、メキシコのアステカ帝国を征服(1519~21)したコルテスペルーインカ帝国を征服(1531~33)したピサロ、太平洋を「発見」したヌニェス・デ・バルボア、チリを征服したペドロ・デ・バルディビアPedro de Valdivia、アマゾン川の「発見者」フランシスコ・デ・オレリャーナFrancisco de Orellanaらがいる。

山本 哲]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コンキスタドレス」の意味・わかりやすい解説

コンキスタドレス
conquistadores

征服者の意。 16世紀初め新大陸各地の征服に活躍したスペイン人の総称。アステカ帝国を征服した H.コルテス,インカ帝国を滅ぼした F.ピサロは特に有名。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android