さても

精選版 日本国語大辞典 「さても」の意味・読み・例文・類語

さて‐も

  1. [ 1 ] 〘 副詞 〙 ( 副詞「さて」に助詞「も」が付いてできたもの ) 副詞「さて」を強めたいい方。そのような状態でも。そのままでも。
    1. [初出の実例]「いにしへのことなど思ひ出で聞えけり。さても侍ひてしがなと思へど」(出典:伊勢物語(10C前)八三)
    2. 「思侘びさても命はある物をうきにたへぬは涙なりけり〈道因〉」(出典:千載和歌集(1187)恋四・八一八)
  2. [ 2 ] 〘 接続詞 〙 接続詞「さて」を強めたいい方。ところでまた。それはそうと。
    1. [初出の実例]「いづれの日にかおはしますらん。さてもふと御迎へはし給はで、まづよくきこえおもむけてこそ定めさせ給はめ」(出典:宇津保物語(970‐999頃)祭の使)
    2. 「さても末の松山は殊に名高き所なるを」(出典:都のつと(1367))
  3. [ 3 ] 〘 感動詞 〙 感動詞「さて」を強めたいい方。それにしてもまあ。さてさて。
    1. [初出の実例]「さてもいと美しかりつる児(ちご)かな」(出典源氏物語(1001‐14頃)若紫)
    2. 「去(さ)ても定めなきは人間の習ひ」(出典:太平記(14C後)一)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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