ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サパテロ」の意味・わかりやすい解説
サパテロ
Zapatero, José Luis Rodríguez
スペインの政治家。首相(在任 2004~11)。父は法律家で,祖父はスペイン内乱の際にフランシスコ・フランコ将軍派の勢力に処刑された共和国政府軍将校だった。1982年にレオン大学を卒業。その後は同大学の法学部教員陣に名を連ねた。1979年にスペイン社会労働党 PSOEに入党,1986年には PSOEから下院議員選挙に立候補して初当選を果たし,最年少の議員となった。1988年,PSOEレオン支部の書記長に選出され,2000年7月に他の候補 3人を抑えて PSOE書記長に選出された。2004年の選挙は,世論調査から国民党の圧勝が予想されていた。しかし,投票日直前の 3月11日にマドリードで一連の爆破テロが発生,流れが変わった。有権者の国民党離れが起こり,同 2004年3月14日の投票では PSOEが予想外の勝利を収めた。サパテロは 2004年4月17日に首相に就任した。就任後数週間のうちに,イラク駐留スペイン部隊を撤収するという選挙公約を遂行した。また,同性婚を合法化し家庭内暴力を刑事罰の対象とするなど,数々の社会改革政策を打ち出した。カタルニャ自治州とバスク自治州の地位をめぐる長年の懸案にも取り組み,2006年にはカタルニャ自治州による「国家宣言」を支持する意向を表明する一方で,バスク祖国と自由 ETAのテロには屈しない強い姿勢を示した。
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