改訂新版 世界大百科事典 「サンゴモ」の意味・わかりやすい解説
サンゴモ (珊瑚藻)
coralline algae
紅藻綱カクレイト目サンゴモ科植物の総称名。炭酸カルシウム(石灰)を多量に沈着した藻体のようすが,動物のサンゴ虫に似ることから和名がついた。一般に,藻体に体節のあるものを有節サンゴモ類,体節のないものを無節サンゴモ類と呼んで分類し,前者にはカニノテ属Amphiroa,オオシコロ属Serraticardia,サンゴモ属Corallina,モサズキ属Janiaなどが所属し,後者にはヒライボ属Lithophyllum,イシモ属Lithothamnium,サビ属Melobesia,モカサ属Fosliellaなどが所属する。サンゴモは世界各地の海の沿岸帯に広く分布するが,とくに無節サンゴモは熱帯の海では死んだサンゴ虫の破片を接着させる,いわば鉄筋コンクリートにおけるセメントの役目を果たし,サンゴ礁の成立に大きく貢献している。サンゴモの体内に含まれる炭酸カルシウムの量は,分析によると藻体乾重量の65~70%である。
執筆者:千原 光雄
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