日本大百科全書(ニッポニカ) 「サンシチソウ」の意味・わかりやすい解説
サンシチソウ
さんしちそう / 三七草
[学] Gynura japonica (Thunb.) Juel
Gynura segetum (Lour.) Merr.
キク科(APG分類:キク科)キク亜科サワギク連に属する多年草。サンシチ(三七)ともいい、野生種は中国中南部から台湾、ベトナムに分布するが、栽培もされている。日本への渡来は江戸時代初期である。植物体は高さ50~150センチメートル。茎には稜(りょう)(かど)があり、根生葉が多く、下面は紫色を帯びる。茎葉は互生し、大形で羽状に分裂する。3~9個の裂片には鋸歯(きょし)があって先はとがり、無毛軟質で両面緑色である。托葉(たくよう)は大きい。秋になると深黄色の頭花を散房状につける。小花は管状花だけからなり、長い白色冠毛をもつ。中国では菊三七、土三七ともいい、三七の字は葉の裂片の数からつけられたものである。
漢方薬でサンシチというときはウコギ科(APG分類:ウコギ科)のサンシチニンジンPanax notoginseng (Burk.) F.H.Chenをさす。葉をもんで毒虫の刺傷につけるほか、根を打ち身、外傷、腫(は)れ物、出血に用いる。
[長沢元夫 2022年2月18日]