ウコギ科(読み)ウコギか

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ウコギ科」の意味・わかりやすい解説

ウコギ科
ウコギか
Araliaceae

双子葉植物セリ目の1科。熱帯圏を中心に 55属 700種ほどが知られ,特に東南アジアと熱帯アメリカに多く分布する。大半は高木または低木,ときにつる性や草本状,また,ヤシに似た樹形を示すものもある。葉は掌状の複葉,まれにはヤツデ (八つ手)のように掌状に裂けた単葉もあり,通常互生,ときに対生,輪生する (→葉序 ) 。花は小型で5数性,多数の花が散形に集り,多くは球形花序をつくる。子房は下位で,熟すと液果状の核果となる。日本産のものとしてはハリギリ (針桐)フカノキなどの高木からウコギヤツデなどの低木,さらにトチバニンジン (栃葉人参)などの多年草やキヅタ (木蔦)などのつる植物がある。タラノキ,ウコギなどは芽を食用にし,チョウセンニンジン (朝鮮人参)薬用として著名であり,キヅタアラリア,通称の「カポック」 (パンヤノキとは別) などは観葉植物として普及している。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウコギ科」の意味・わかりやすい解説

ウコギ科
うこぎか
[学] Araliaceae

双子葉植物、離弁花類。草または木。葉は掌状脈をもつ単葉や、羽状複葉のものもあるが、掌状複葉のものが多い。花は小さく、多くは散形花序または頭状花序をつくり、普通は5数性で子房下位、子房の各室に下垂する1個の胚珠(はいしゅ)がある。果実は液果または核果。熱帯から温帯に広く分布し、55属700種ほど知られる。日本にはタラノキ属、トチバニンジン属、ヤツデ属、ウコギ属、ハリギリ属、カクレミノ属など、10属20種が野生する。チョウセンニンジンは薬用、ウド、タラ、ウコギなどは食用、ヤツデは庭木として知られる。

[山崎 敬 2021年11月17日]

 APG分類でもウコギ科とされる。チドメグサ属などセリ科から移されたものもある。この分類によると世界に約50属1650種が知られ、日本には12属29種ある。

[編集部 2021年11月17日]


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