日本大百科全書(ニッポニカ) 「サービス率」の意味・わかりやすい解説
サービス率
さーびすりつ
需要(注文)に対し、商品を供給(納品)できた割合をいうマーケティング用語。品切れ防止がどの程度できているかを示す指標である。サービス率の高さは、売上げ機会を逃す確率が低く、顧客に対して事業の信用力や魅力が高いことを示す。総顧客数に対して注文に応じられた顧客数比率、総注文商品数に対し注文に応じられた商品数比率、総需要額に対し注文に応じられた売上高の比率など、さまざまな比率として計算される。サービス率を良好に保つためには、適切な発注管理や在庫管理が欠かせないうえ、需要の大幅な変動に備えて品切れを起こさないための安全在庫をもつ必要があるとされる。
サービス率の反対語は、品切れなどを起こした割合をさす欠品率である。「サービス率(%)=100%-欠品率(%)」という数式が成立し、サービス率が100%ならば欠品率は0%となる。サービス率を100%とするには、欠品を完全に排除しなければならないが、これには膨大な在庫が必要でコストがかさむうえ、売れ残りのリスクを抱えることになる。そこで、POSデータなどの購買行動データを利用して、個々の商品について季節、曜日、時間、天候ごとの売れ行き状況などを詳細に把握し、供給体制を整備するデマンドチェーン・マネジメントを活用することで、サービス率の低下を防ぐと同時に、過剰在庫を回避できるとされている。
[編集部]