ザクセンウィッテンベルク(英語表記)Sachsen-Wittenberg

改訂新版 世界大百科事典 の解説

ザクセン・ウィッテンベルク
Sachsen-Wittenberg

中世ドイツの一領邦,公爵領Herzogtumであった。ザクセン大公ハインリヒ獅子公が,皇帝フリードリヒ1世によって1180年に流刑に処せられた後,旧ザクセン大公国内の司教,世俗諸侯および都市が公爵権力から独立していき,ザクセン公国は旧大公国の東部,エルベ川流域に限定された。そしてこの大公国は,アスカニア家AskanierのベルンハルトBernhard(在位1180-1212)に封与された。新しい公爵家は旧ザクセン大公のごとき強大な権力をもつことはもはやなかった。そのうえ,公爵領は相続によって分割されていった。ベルンハルトの子のアルブレヒト1世Albrecht Ⅰ(在位1212-60)は,息子のヨハンJohannとアルブレヒト2世にザクセン公国を分割し(1260),前者にエルベ川下流域の領土を,後者にエルベ川中流域の領土を与えた。それぞれはその首都名に従ってザクセン・ラウエンブルクSachsen-Lauenburgとザクセン・ウィッテンベルクと名付けられた。両公爵家は選帝侯の権利を主張して相争ったが,1356年皇帝カール4世の金印勅書によりウィッテンベルク系統が選帝侯位を獲得した。しかし,ウィッテンベルク系統は1422年に死滅した。そしてこの公爵領と選帝侯位は,ラウエンブルク系統の継承請求を無視して,1423年に中部ドイツに強大な勢力を築いてたマイセン辺境伯のウェッティン家Wettinerに授与された。いまやウェッティン家は,全領土に対して伝統あるザクセン大公の名称を使用し,選帝侯としてドイツ全体に対して高い権威を築いた。
ザクセン
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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