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質量分析法 しつりょうぶんせきほうmass spectrometry

4件 の用語解説(質量分析法の意味・用語解説を検索)

知恵蔵の解説

質量分析法

原子や分子の質量を測定する方法。ピコ(10^-12)モル程度の物質の質量は天秤で量れない。原子や分子をイオンとして気化し、イオンを電場や磁場中に導入することで測定が可能となる。電場や磁場中でのイオンの運動は質量によって異なるので、イオンの加速や曲がり方などを測定すれば、その質量がわかる。これが質量分析法質量分析法では物質をイオン化し、電場や磁場を利用してイオンを区別し、イオンを検出する。分析対象となる物質により、適切なイオン化法は異なる。ばらばらになった分子イオンを量ることで、元の分子の構造解析を行うこともできる。また、試料中に存在する物質を原子にまで壊してしまい、元素分析や同位体分析をすることも可能。プラズマ中で原子にまで分解して質量分析を行う誘導結合プラズマ質量分析法(ICP‐MS)は、生体や環境分析で活用される高感度分析法の1つ。逆に大きな分子を壊さないようにイオン化することも分子量測定の観点から重要。生体高分子をそのままイオン化するマトリックス支援レーザー脱離イオン化法(MALDI)を開発した田中耕一は、2002年にノーベル化学賞を受賞した。

(市村禎二郎 東京工業大学教授 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」
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栄養・生化学辞典の解説

質量分析法

 質量分光測定ともいう.原子,分子を質量の違いによって分析する方法.定量,定性ができる.有機化合物については,その構造についても情報を得ることができる.

出典|朝倉書店
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世界大百科事典 第2版の解説

しつりょうぶんせきほう【質量分析法 mass spectrometry】

質量分析器を用いて,質量スペクトルを測定することにより,化合物の確認・同定,構造決定,検出等を行う分析法。質量分析法は,物理学,化学,生物学,地学等の基礎科学から,工学,農学,医学,薬学に及ぶきわめて広い分野で利用されている。その理由のおもなものは,(1)1~10ng(1ng=10-9g)の試料量で十分な質量スペクトルが得られるほど高感度な手法であること,(2)質量スペクトルが試料分子の特性および構造をいろいろな形で反映するため,化合物の構造決定に有用であること,などによる。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
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世界大百科事典内の質量分析法の言及

【トムソン】より

…1906年には,これら一連の研究によりノーベル物理学賞を受賞。また,彼は陰極線を構成する荷電粒子が物質の普遍的成分であるという考えに基づいて,原子模型の提案も行ったほか,05年末からは,陽極線の研究を開始し,ネオンの同位体を発見する一方,陽極線質量分析の方法を開発して,F.W.アストンらの質量分析法の基礎を築いた。19世紀末から20世紀初頭にかけて,キャベンディシュ研究所を原子物理学の実験的研究の世界的中心地とした功績は大きい。…

※「質量分析法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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