シクロペンタジエニドイオン

化学辞典 第2版 の解説

シクロペンタジエニドイオン
シクロペンタジエニドイオン
cyclopentadienide ion

C5H5(65.09).非ベンゼン系芳香族化合物の一つで,一価の陰イオンである.負電荷は五員環上に非局在化し,D5h の対称性を有する.シクロペンタジエンのメチレン水素の1個を,塩基によって引き抜くことにより容易に生成する.ナトリウム塩は,金属ナトリウムとシクロペンタジエンとの反応でも生成する.Na 塩は1H NMR(THF)δ 5.57.13C NMR(THF)δ 102.1.J 13C-HH157 Hz.共鳴エネルギーは理論計算から176 kJ mol-1 と求められ,ベンゼンの151 kJ mol-1 よりも大きい.窒素気流中では300 ℃ まで安定である.一方,陰イオンであるため比較的反応性に富む.求電子試薬との反応による置換シクロペンタジエン類とそれらのアニオン合成や,メタロセン,その他のπ-シクロペンタジエニル錯体の合成,さらにはカルボニル化合物との脱水縮合反応によるほかの非ベンゼン系芳香族化合物の合成に利用される.[CAS 12127-83-2]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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