シスプラチン(その他表記)cisplatin

デジタル大辞泉 「シスプラチン」の意味・読み・例文・類語

シスプラチン(cisplatin)

強力な制癌せいがん作用を有する白金製剤。副作用も強い。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シスプラチン」の意味・わかりやすい解説

シスプラチン
cisplatin

睾丸腫瘍膀胱癌卵巣癌などの化学療法剤として中心的な薬剤であり,構造式に白金を含む薬物。しかし,腎毒性や催吐作用など副作用も強いことがネックとなっていた。シスプラチンの副作用を軽減するために,カルボプラチンが開発され,日本では 1990年3月に承認が得られた。カルボプラチンは,すでに世界 30ヵ国で使用されており,シスプラチン投与時に必要な大量の水分負荷が不要なこと,蓄積毒性が少なく継続治療が可能であることから,その治療効果が注目されている。

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化学辞典 第2版 「シスプラチン」の解説

シスプラチン
シスプラチン
cisplatin

白金錯体 [PtCl2(NH3)2]2+ のシス体.睾丸がん,卵巣がん,乳がんなどに有効であるが,トランス体には抗がん性はない.類似白金化合物として,カルボフラチンが臨床に用いられている.DNAに結合し,その複製を阻害する.[CAS 15663-27-1]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のシスプラチンの言及

【制癌薬】より

…男性または女性ホルモン製剤そのままでは男性化ないし女性化の副作用が現れることが多いため,それらの副作用の少ない薬剤として乳癌治療にタモキシフェン(ノルバデックス)やメピチオスタン(チオデロン)が最近開発され,用いられている。
[その他の制癌薬]
 以上の分類に属さないものにプロカルバジン(ナツラン),シスプラチン(ランダまたはブリプラチン),L‐アスパラギナーゼ(ロイナーゼ),エストラムスチン(エストラサイト)などがあり,それぞれ悪性リンパ腫,種々の固形癌,白血病,前立腺癌の治療に利用されている。このうちシスプラチンは白金の錯化合物で,1960年代後半にアメリカで発見され最近日本に導入された。…

※「シスプラチン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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