ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シップリー」の意味・わかりやすい解説
シップリー
Shipley, Jennifer
ニュージーランドの政治家。首相(在任 1997~99)。1972年にクライストチャーチ教育大学を卒業後,小学校教師になった。地域社会活動に取り組み,1975年にニュージーランド国民党に入党,1987年に国会議員に選出された。1990年にジェームズ・ボルジャー国民党党首が首相に就任し,シップリーは 1990~93年に社会福祉大臣,1990~96年に女性問題大臣を務め,1993年には保健大臣も務めた。国民党は,1996年の議会選挙で過半数に達せず,ニュージーランド第一党との連立を余儀なくされたが,このボルジャー連立政権で,シップリーは国家行政・運輸・国営企業・放送・事故回復補償担当大臣を務めた。ボルジャーは不人気な政策で支持率が低下し,1997年11月に首相と党首を辞任。シップリーは後継の国民党党首となり,12月8日ニュージーランドで初めての女性首相に就任した。債務軽減,税制の簡素化,福祉手当の削減を目指した。空港民営化を進めてニュージーランド第一党と対立し,1998年8月に連立体制が崩壊した。シップリーは,ニュージーランド史上初の内閣信任投票実施を求め,僅差で可決され,1999年の信任投票でも首相の座を守り抜いた。しかし,同 1999年の選挙でヘレン・クラーク率いるニュージーランド労働党に敗退し,2001年に国民党党首をビル・イングリッシュと交代。翌 2002年政界から引退した。
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