シマダコ(読み)しまだこ(その他表記)Arakawa's octopus

日本大百科全書(ニッポニカ) 「シマダコ」の意味・わかりやすい解説

シマダコ
しまだこ / 縞蛸
Arakawa's octopus
[学] Callistoctopus arakawai

軟体動物門頭足綱マダコ科のタコ。体長90センチメートルほどになる大形種で、紀伊半島から沖縄・小笠原(おがさわら)までに分布する。体は筋肉質で強固、皮膚には小顆粒(かりゅう)が一面にあり、外套膜(がいとうまく)の背中線とその両側にリン光を発する縦縞が3~4列、各腕には同様の方形斑点(はんてん)が2列並ぶ。傘膜(さんまく)は比較的広い。内臓諸器官はマダコ類とあまり変わらないが、墨汁嚢(のう)が退化的である。底生性のタコ類のなかでは、発光するものは現在まで1種も知られておらず、本種の場合もホタルイカなどの発光とは異なり、一種のリン光(外界の光によって発光能が残る)を発するものである。同様のリン光を発するものにワモンダコがあり、この種も熱帯太平洋のサンゴ礁に多い。

[奥谷喬司]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android