シャイフアルイスラーム(その他表記)shaykh al-Islām

改訂新版 世界大百科事典 「シャイフアルイスラーム」の意味・わかりやすい解説

シャイフ・アルイスラーム
shaykh al-Islām

イスラム長老シャイフ)〉を意味し,10世紀末から学識深いウラマー尊称とされた。セルジューク朝は政府の任命する官職にしようとして失敗,オスマン帝国イスタンブールムフティー職名とした(トルコ語でシェイヒュル・イスラムşeyhülislam)。ウラマーを統轄してカーディー(裁判官),ムフティーの任免権を握り,ファトワーfatwā(意見書)によってスルタンの国事行為を制約し,事実上シャリーア(イスラム法施行の責任者となった。
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百科事典マイペディア 「シャイフアルイスラーム」の意味・わかりやすい解説

シャイフ・アルイスラーム

イスラム圏で10世紀末から使用された学者・宗教指導者(ウラマー)の尊称。オスマン帝国ではイスタンブールのムフティー(イスラム法の解釈運用に関し意見を述べることを認められた権威)の職名となった。

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世界大百科事典(旧版)内のシャイフアルイスラームの言及

【ファトワー】より

…普通ファトワーは,シャリーア法廷のカーディー(裁判官)の求めに応じて出され,カーディーはそれに基づいて判決を下すが,マザーリム(行政)法廷,君主,個人もムフティーにファトワーを求めることができた。オスマン帝国では,首都イスタンブールのムフティーであるシャイフ・アルイスラームが,スルタンの即位と廃位,宣戦と講和,西欧化政策の導入などのほか,コーヒーを飲むことや印刷所開設の可否などについてもファトワーを出した。【嶋田 襄平】。…

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