ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シャガリ」の意味・わかりやすい解説
シャガリ
Shagari, Shehu
[没]2018.12.28. アブジャ
ナイジェリアの政治家。大統領(在任 1979~83)。フルネーム Alhaji Shehu Usman Aliyu Shagari。姓は曾祖父が創立した村の名。カドゥナ・カレッジに学び,しばらく教職についた。北部出身者としては珍しく国政に関心をいだき,1954年に立候補して連邦下院議員に選出された。その後要職を歴任し,1960年のナイジェリア独立後も各政権で議員を務めた。1966年にジョンソン・アグイ=イロンシ少将がクーデターで文民政権を倒すと公職を離れて帰郷。1971年にヤクブ・ゴウォン将軍により,オバフェミ・アウォロウォの後任として連邦経済開発長官に任命された。1979年,大統領選挙でアウォロウォと対決し僅差で勝利した。1980年代初めにナイジェリアが国際的な経済危機の打撃を受けると,シャガリは経済強化策として歳出削減,国際通貨基金 IMFへの救済要請,さらに 1983年にガーナ人を中心とする 200万人の居留外国人の追放を断行した。1983年の大統領選挙では激戦を制したものの経済状況は悪化し,政権内の腐敗も進んだ。同 1983年12月31日にムハンマド・ブハリ少将によるクーデターで政権は倒され,シャガリは逮捕された。個人の汚職容疑は晴れて 1986年に釈放されたが,政界への関与を終身禁じられた。
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