改訂新版 世界大百科事典 「シャロームアライヘム」の意味・わかりやすい解説
シャローム・アライヘム
Shalom Aleichem
生没年:1859-1916
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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…19世紀,ユダヤ社会内に近代ドイツ語への転換を図る啓蒙運動が起こったが,東欧ユダヤ人の間ではその反動としてイディッシュ語の洗練化運動が旺盛になり,ユダヤ人の大量東方移動もあって,イディッシュの機能範囲は東欧で大幅に広がった。 近代のイディッシュ文学の基礎を築いたのは,記述言語としての基本文型を確立したメンデレ・モヘル・スフォリムMendele Mocher‐Sforim(1835‐1917)であり,続くシャローム・アライヘム(1859‐1916),イサク・レイブ・ペレツIsaac Leib Peretz(1852‐1915)の精力的な創作活動を通じて着実な開花,発展を見ることになった。メンデレは《不具者フィシュケ》(1888),《ベンジャミン3世の放浪》(1878)で貧困にあえぐ男や夢想に取り憑かれた男の遍歴譚を描き,ユダヤ社会にわだかまる観念主義や偏見を風刺し,シャローム・アライヘムは《イディッシュ人民文庫》(1888‐89)発行によってユダヤ文学興隆に貢献するとともに,《メナヘム・メンドル》(1892),《牛乳屋テビエ》(1894)など,連作の諸短編でロシア圧政下の小村落に住むユダヤ庶民の姿をユーモアと哀感のあふれる文章で活写し,多数の読者を獲得した。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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