ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シュタッケルベルク」の意味・わかりやすい解説
シュタッケルベルク
Stackelberg, Heinrich Freiherr von
[没]1946.10.12. マドリード
ロシア生れのドイツの経済学者。ロシア革命後一家でドイツに逃れ,ケルン大学で学び,同大学私講師を経て 1941年ボン大学教授。主著『市場形態と均衡』 Marktform und Gleichgewicht (1934) ですぐれた複占・寡占理論を展開した。すなわち,(1) 両方の企業がイニシアティブをとろうとするケースで,別名ボーレー複占。 (2) 逆に両方の企業が相手の産出量水準を与えられたものとして受動的に行動するケースで,別名クールノ複占。 (3) 企業1が先導者となり,企業2はそれに対応して受動的に行動するケースに分類し,それぞれについて無差別曲線,反応曲線などの概念を駆使しながら,その理論的含意を明らかにすることに成功した。また一般均衡理論の解の存在問題に先鞭をつけるなど,若くして多くの先駆的貢献をしたが,43年から客員教授としてマドリード大学に赴任中に同地で他界した。
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