シュノサウルス(読み)しゅのさうるす(その他表記)shunosaur

日本大百科全書(ニッポニカ) 「シュノサウルス」の意味・わかりやすい解説

シュノサウルス
しゅのさうるす
shunosaur
[学] Shunosaurus lii

竜盤目竜脚形類(亜目竜脚類(下目)エウサウロポッド類Eusauropoda(真竜脚類)に属する恐竜。中国のジュラ紀中期、約1億6770万年~1億6120万年前の地層から産出した原始的竜脚類で、尾椎(びつい)の最後の4個が膨らんでハンマーのようになっている唯一の属。全長約12メートル、体重は3トン近くと推定されている。頸椎(けいつい)12個、胴椎13個、仙椎4個、尾椎44個である。竜脚類には頭骨と歯に二つのタイプがあるが、そのほかに頸椎と胴椎をあわせた数が重要であり、合計25個という少ない数は祖先型を示す。仙椎4個も祖先型を表す。尾椎の数も少ない。シュノサウルスをエウヘロプス科に入れるかどうかについては異論があった。たとえば同科のマメンチサウルスMamenchisaurusのように頸椎が多くない。科を識別せずにエウサウロポッド類として、エウヘロプスEuhelopus、マメンチサウルス、オメイサウルスOmeisaurus、シュノサウルスなどを一括する考えが普通である。学者によっては、ケティオサウルス科Cetiosauridaeの1属とみなす。頭は短く厚みがあって、カマラサウルスCamarasaurusのものに似た箱型の頭部にスプーン型の歯を備える。あまり長くはない樽(たる)型の胴体が、やや長めのゾウのような四肢に支えられていた。尾の先端の骨の塊の上には、2対の小さなスパイク突起)がついていた。敵と戦うときには、これを振り回して武器として使ったと思われる。かなりの威力を示したであろう。同じく中国のジュラ紀層産でエウヘロプス科に属するとされたオメイサウルスも、かつて尾の先端にハンマー状の塊があるとされたことがあったが、その後の研究により、それがないことが明らかとなった。恐竜を産出した四川(しせん)省の地層からは幼体を含んでほぼ完全な20体以上の骨格と、保存程度のよい頭骨が発掘されている。未発掘のものまで入れると、かなりの数の個体が埋もれているとみられている。もともと、ほかの恐竜たちとともにボーンベッド(骨化石包含層)を形成しているところで発見された。個体数が多く発見されるのは、初期の竜脚類としては珍しいので貴重な資料である。

[小畠郁生]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

デジタル大辞泉プラス 「シュノサウルス」の解説

シュノサウルス

ジュラ期中期に生息した竜盤類竜脚形類の草食恐竜。全長約9メートル。尾の先端は短いトゲのついた棍棒状になっている。

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