改訂新版 世界大百科事典 「ショウジョウインコ」の意味・わかりやすい解説
ショウジョウインコ (猩々鸚)
chattering lory
Lorius garrulus
オウム目オウム科の鳥。全長約30cm,尾の短い中型のインコ。くちばし,上面,下面が赤く,翼,腿,尾の先端が緑色をしている。翼には赤い斑紋があり,肩の間に小さな三角形の黄斑がある。翼角も黄色い。森林の樹上につがいか小さな群れですみ,くちばしで花をかみつぶし,先端がブラシ状になった舌でしみ出てきた花みつをなめとるほか,花粉や果汁の多い柔らかな果実も食べる。繁殖期には樹洞を巣穴として利用し,その中に直接1腹2~4個の卵を産む。モルッカ諸島のハルマヘラ島に分布する。ルイチガイショウジョウインコL.flavopalliatusはショウジョウインコに羽色がよく似ているが,肩の間にある三角形の黄斑が大きい。モルッカ諸島のオビおよびバッチアンの両島に分布する。
ショウジョウインコ類は,そのはでな羽色のために,ヨーロッパでは飼鳥として珍重されていた。日本にも古くから輸入されているが,癇癖(かんぺき)が強く,また刺激に敏感なので,飼育には静かな環境が必要だといわれる。
執筆者:齋藤 隆史
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報