日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハルマヘラ島」の意味・わかりやすい解説
ハルマヘラ島
はるまへらとう
Pulau Halmahera
インドネシア北東部、モルッカ諸島北部にある同諸島最大の島。別称ジャイロロDjailolo島。面積1万8000平方キロメートル。西岸はモルッカ海に面し、東岸の北部は太平洋に、南部はハルマヘラ海に臨む。島の形はK字状をなし、同島西岸沖合い240キロメートルにあるスラウェシ島を小型化した様相を呈する。すなわち、北・北東・南東・南方向に突出する四つの半島から構成され、それぞれに山脈が走っている。構造的には環太平洋造山帯に属し、最高峰のガムコノラ山(1635メートル)をはじめいくつかの火山が主として北部半島に点在する。海岸線は入り江に富み、概して複雑である。南部半島の中央部を赤道が通過し、高温多湿の気候を呈する。年降水量は2300ミリメートル。
かつては西隣の小島テルナテ島を中心に繁栄したテルナテ土侯国の支配下にあったが、17世紀後期にオランダの植民地となり、さらに太平洋戦争時には日本軍に占領された。住民はマレー系種族のアルフール人とパプア系種族で、香料、サゴヤシ、タバコ、米などを栽培する。北部半島が島の経済活動の中心をなし、沿岸部には西岸のジャイロロをはじめ多数の集落がある。
[上野福男]