日本大百科全書(ニッポニカ) 「シート食品」の意味・わかりやすい解説
シート食品
しーとしょくひん
シート状に加工した食品。形から紙状食品、フィルム食品、カード食品ともよんでいる。しょうゆのような液体、みそのような粘性のあるもの、かつお節や魚粉のような粉状のものもシート状にできる。シート化助剤としては1970年ごろ、糖類を原料として微生物により多糖類に変化させたプルラン(ブドウ糖を特殊な微生物を使い難消化性の多糖類に変化させたもので、ブドウ糖が階段状に結合している)、こんにゃくいもをペーストにしたものなどが利用された。製法は、材料食品の固形のものは細かく粉状にし、液状やペースト状のものはそのままシート化助剤とあわせ、これをシート状に延ばし、凍結乾燥あるいは減圧乾燥させる。シート状ではあるが、素材の風味、テクスチュア(口内で食感として感じる粘弾性)が保たれ、しかも加熱しても形が変わらない。シート食品の種類としては、しょうゆ、ケチャップ、マヨネーズ、みそ、削り節、魚粉、にんじん、ほうれんそうなど各種のものが出ている。また、シート化するときにダイエットを目的としてエネルギー、脂肪量を調節する試みもある。用途は一般用(携帯用など)以外に、細巻きずし用の梅肉といった業務用や加工用食材が開発され実用化している。
[河野友美・山口米子]