日本大百科全書(ニッポニカ) 「ジート」の意味・わかりやすい解説
ジート
じーと
Barry William Zito
(1978― )
アメリカのプロ野球選手(左投左打)。大リーグ(メジャー・リーグ)のオークランド・アスレチックスで投手としてプレー。ティム・ハドソンTim Hudson(1975― )、マーク・マルダーMark Mulder(1977― )とともに、球界最高のトリオといわれる強力な先発陣を形成。時速150キロメートルを超えるストレートと、大きく落ちるカーブを武器とする本格派左腕である。
5月13日、ネバダ州ラスベガスで生まれる。南カリフォルニア大学時代にリーグの年間最優秀投手に選ばれた。1999年、ドラフト1巡目(全体9番目)指名を受けてアスレチックスに入団、マイナー・リーグのA級でスタートし、1年目のうちにAAA級まで昇格、2年目の2000年後半に大リーグへデビューした。この年はシーズン終了までローテーションを守り通し、7勝4敗、防御率2.72の成績を残した。同時にアスレチックスは8年ぶりの地区優勝、その後も2002年まで3年連続してプレーオフに駒(こま)を進めている。2001年に17勝、2002年には23勝で最多勝利となり、サイ・ヤング賞(最優秀投手賞のこと)を獲得。以後2004年まで2桁(けた)勝利をマークした。
[出村義和]
2005年以降
2005年は35試合に先発登板、チーム最高の14勝をあげたが、シーズン自己ワーストの13敗を喫した。2006年は34試合で16勝をあげてチームの地区優勝に貢献。シーズン中に通算100勝、1000奪三振を達成した。2007年はナショナル・リーグのサンフランシスコ・ジャイアンツでプレー、34試合に登板し11勝13敗。連続2桁勝利を7年に伸ばしたが、8年目にして初めて負け越し、防御率は4.53と跳ね上がった。
2007年までの通算成績は、登板試合256、投球回1627、113勝76敗、防御率3.67、奪三振1227、完投9、完封4。獲得したおもなタイトルは、最多勝利1回、サイ・ヤング賞1回。
[編集部]