トリオ(読み)とりお(その他表記)trio

翻訳|trio

デジタル大辞泉 「トリオ」の意味・読み・例文・類語

トリオ(〈イタリア〉trio)


三重奏三重唱
スケルツォメヌエットなど三部形式楽曲の中間部。
三人組。三つ組。「トリオを組む」「クリーンナップトリオ

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精選版 日本国語大辞典 「トリオ」の意味・読み・例文・類語

トリオ

  1. 〘 名詞 〙 ( [イタリア語] trio )
  2. 三重奏。または、三重唱。
    1. [初出の実例]「某々楽師の管絃三部合奏(トリオ)と」(出典破垣(1901)〈内田魯庵〉四)
  3. スケルツォやメヌエットなどの舞曲行進曲などの中間部。
  4. 持ち分の違った人間が三人組になること。また、その三人組。
    1. [初出の実例]「徳川・大辻も出ることになるらしい、向ふでは之をトリオと心得てるんだから」(出典:古川ロッパ日記‐昭和九年(1936)二月五日)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「トリオ」の意味・わかりやすい解説

トリオ
とりお
trio

西洋音楽における合奏合唱の概念の一つ。本来は3人で奏せられる、あるいは歌われる音楽のこと。三重奏とか三重唱と訳されることもある。狭義には前者をさすが、そのなかには18世紀中ごろ以後、とりわけ好まれたいくつかの編成があった。ピアノバイオリンチェロからなるピアノ三重奏(トリオ)、バイオリン、ビオラ、チェロからなる弦楽三重奏が代表的なものだが、三つの楽器の結び付き方にはその他多くの可能性がある。バロック時代には、二つの旋律楽器(バイオリンやオーボエなど)と通奏低音という三声部からなる楽曲がとくに好まれ、トリオ・ソナタとよばれていた。またメヌエットなどの楽曲は、二つのメヌエットが連続して、最後にもう一度最初のメヌエットが回帰するという形をよくとっていたが、真ん中に挟まれた第二メヌエットはしばしば三声部で書かれていたために、やがてトリオとよばれるようになる。それがさらに転じて、マーチやスケルツォなどの中間部を、特別な意味なくトリオと称する習慣も生まれた。

[大崎滋生]

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百科事典マイペディア 「トリオ」の意味・わかりやすい解説

トリオ

音楽用語。(1)三重奏,三重唱。ピアノ・トリオといえば,ピアノ,バイオリン,チェロの組み合わせの楽曲,あるいはその演奏団体のこと。モーツァルトの《ディベルティメント変ホ長調(K.563)》(バイオリン,ビオラ,チェロ)やブラームスの《ホルン三重奏曲》(ホルン,バイオリン,ピアノ)のような編成もある。(2)メヌエットスケルツォの中間部。かつてメヌエットの中間部が3声部で書かれたことに由来。(3)トリオ・ソナタ。3声部のソナタ
→関連項目室内楽

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「トリオ」の意味・わかりやすい解説

トリオ
trio

三重奏あるいは三重唱。3声部によって構成される楽曲ないしその演奏形態をさすが,演奏媒体の組合せ,またこの言葉の使用範囲はきわめて多岐にわたる。楽器編成としての三重奏を意味する以外にも,メヌエットやスケルツォ,また行進曲などの中間部もトリオと呼ばれる。それはかつてバロック組曲のなかでメヌエットが3声部書法をもつ第2メヌエットを伴っていたことに発している。第2メヌエットは,のちにトリオと題されるようになり,古典派ではメヌエット-トリオ-メヌエットという型が特にソナタの第3楽章におかれた。

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音楽用語ダス 「トリオ」の解説

トリオ [trio]

3重唱、又は3人編成のバンド。(例)ピアノ・トリオ=ピアノ、ベース、ドラム。

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世界大百科事典(旧版)内のトリオの言及

【音響機器工業】より

…60年代半ばまでは日本コロムビア,日本ビクターといった伝統を誇るメーカーや松下電器産業,東京芝浦電気(現,東芝)などの総合家電メーカーが業界をリードしていた。つづく60年代後半から70年代前半には,回路技術で先発大企業に差をつけたトリオ(現,ケンウッド),山水電気,パイオニア,あるいは赤井電機やティアック(この2社はおもにテープデッキ)といったオーディオ(音響)機器専業メーカーが先発の大企業を抑えてそのシェアを拡大した。このように戦後の日本の音響機器工業は大企業が先行し,後発の中小専業メーカーが追いかけリードする,といった他の家電産業にはみられない特異なパターンで成長を続けた。…

※「トリオ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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