日本大百科全書(ニッポニカ) 「スタッケンバーグ」の意味・わかりやすい解説
スタッケンバーグ
すたっけんばーぐ
John Henry Stuckenberg
(1835―1903)
アメリカの社会学者。ドイツに生まれたが幼少時にアメリカに移り、ウィッテンバーグ大学を卒業し、ドイツのゲッティンゲン、ベルリンの諸大学で神学を学んだ。ルター派の牧師を務め、ウィッテンバーグ大学の教授に就任したが、やがてキリスト教社会主義の影響のもとに、社会問題への関心から社会学に転じた。社会現象を生じさせる原動力として、個人の心理学的な力に発する社会力を考え、社会過程の分析に重点を置く心理学的な社会学理論を提唱するとともに、ドイツ文化のアメリカへの導入にも貢献した。主著には『社会問題』(1897)、『人間の学としての社会学』(1903)などがある。
[居安 正]