広義には社会の動的状態一般をさして用いられるが、社会学においては、社会を成り立たせる人々の相互作用の現実的な動的過程をさす。社会学において、この相互作用の動的過程に最初に注目したのはジンメルである。彼は、社会を人々の心的相互作用からなるものと考え、社会学の対象を相互作用の様式である社会化の形式に求めて社会過程研究に道を開き、パークやバージェスに影響を与えた。ジンメルの立場を継承したウィーゼは、この社会化の形式が、相互作用の現実的な動的過程と、規範化され制度化された静的な期待関係の両者に分析されることに注目し、前者を社会過程、後者を社会関係とよんで区別した。このような社会過程は、大別すれば結合過程と分離過程とに分けられ、さらにそれぞれの下位区分とともに両者の混合形態も考えられている。
A・ウェーバーの文化社会学においては、社会の歴史的な変動が社会過程、文明過程、文化運動の三つによって説明される。この場合の社会過程は広義の社会過程に近く、歴史を担う社会的な統一体の変動過程をさし、そこには人間の意識活動に基づく文明過程と文化過程が含まれると考える。前者は、人間の知的成長に基づいて、発見によって直線的に合理化の方向をたどり、後者は、創造活動によって非連続的な高揚を示す。この三者の関連を彼は社会学的布置とよび、文化社会学ないし歴史社会学はこれを明らかにすべきであると主張し、独特の体系を提示した。
[居安 正]
『ジンメル著、阿閉吉男訳『社会学の根本問題』(社会思想社・現代教養文庫)』▽『ジンメル著、居安正訳『現代社会学大系1 社会分化論 社会学』(1970・青木書店)』
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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