日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
スターティング・ブロック
すたーてぃんぐぶろっく
starting block
100メートルから800メートル(障害物競走を含む)のスタートに使用する足留め台。陸上競技のスタートは初めは立ったままで、次はしゃがみ込むクラウチング・スタートで、さらに足場を固めるため穴を掘るように変わった。その穴のかわりに固定した足留め台が研究され、陸上競技の記録更新に大いに役だった。
初めてスターティング・ブロックが使われたのは1929年、アメリカのオハイオ州立大学の競技会で、このときシンプソンが非公式ながら100ヤード(91メートル)9秒4の世界記録を出したといわれている。一般には1934年ごろから使われ、公式採用は48年のロンドン・オリンピック大会からである。器具は木製からスチール製に、さらに改良が加えられ軽量化されている。
[石井恒男]