日本大百科全書(ニッポニカ) 「オハイオ州立大学」の意味・わかりやすい解説
オハイオ州立大学
おはいおしゅうりつだいがく
Ohio State University
アメリカ合衆国オハイオ州内の州立大学の一つである。州都のコロンバスに本部とメイン・キャンパスがある。「ビッグ・テンBig Ten」とよばれるアメリカ中西部のスポーツ・カンファレンスSports Conference(大学間の競技連盟)に属し、全米有数の大規模大学である。コロンバスにあるメイン・キャンパスだけで、合計5万1818人もの学生を抱えている。他の四つのキャンパスとその他農業関連施設、センターや生涯教育施設等の学生も合わせると5万9091人になる。全学生のうち、約85%は州内からの入学者である。教員は5377人、職員は1万9925人(いずれも2006年現在の数値)。
国有地交付大学land-grant universityとして、1870年に創設された。当初の名称は、オハイオ農工大学Ohio Agricultural and Mechanical Collegeであり、現在の大学名になったのは1879年のことである。コロンバス校だけで1755エーカー(約710ヘクタール)の広大なキャンパスをもち、すべてのキャンパスや施設を合わせると1万5655エーカー(約6335ヘクタール)にもなる。
学士課程には、17の学部colleges&schools、167の専攻majorがあり、修士課程には132および博士課程には100の学位課程degree programが提供されており(このほか専門職学位課程が七つある)、合わせて1万2000ほどの科目coursesをもつ。経営学、教育学、地理学、産業デザイン学、工学が有名な分野である。大規模で総合的なアフリカ系アメリカ人研究african american studies、アフリカ系アメリカ人歴史研究african american historyでも知られ、とくにこの歴史研究分野でのアフリカ系アメリカ人学生の博士号取得数は、全米でも屈指である。また、溶接工学や測地科学、医学コミュニケーションなど、稀少分野の教育課程もある。
全体で約1万人以上の学生が奨学金を得ているが、そのうちの約500人は17のスポーツでスポーツ特待奨学金を得ている。大学には、多数のスポーツチームおよびスポーツクラブがある。
[飯吉弘子]