スネフル(その他表記)Snefru

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「スネフル」の意味・わかりやすい解説

スネフル
Snefru

古代エジプト第4王朝 (前 2613頃~2494頃) 初代の王。大ピラミッド建造時代の最初の王として知られる。中部エジプトのヘルモポリス出身。第3王朝最後の王の娘と結婚して即位王族要職につけて高度な中央集権化をはかり,ヌビアを制圧リビアにも遠征した。シナイ半島銅山を開発,シリアから杉材を輸入し,各地に神殿を建造。特にカイロ南西約 35kmのダハシュールでは,高さ 97mのベント (屈折) ピラミッドと高さ 99mの北ピラミッドの2基を建造した。前者は途中で設計変更し,上部の傾斜をゆるやかにしたもので,後者は側面が二等辺三角形の最初の真正ピラミッドである。在位年数二十余年の治世中,古王国時代の絶頂期をもたらした中央集権化を推進し,後世まで名君とたたえられた。次王クフは彼の息子である。

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世界大百科事典(旧版)内のスネフルの言及

【エジプト】より

…このため古王国時代は〈ピラミッド時代〉とも呼ばれる。第3王朝のジェセル王がサッカラに造営した〈階段ピラミッド〉を最初とし,第4王朝の祖スネフルSnefru王のメイドゥーム,ダハシュールのピラミッドを経て,ギーザの三大ピラミッド(クフKhufu,カフラーKhafra,メンカウラーMenkaura3王のピラミッド)で頂点に達する。とくにクフ王の〈大ピラミッド〉の周囲に整然と配置された王妃の小ピラミッド,王族・高官のマスタバ墳は,高度に中央集権化された国家の身分秩序を忠実に反映している。…

【ピラミッド】より

…第3王朝の諸王も〈階段ピラミッド〉の建造を続けるがいずれも未完成に終わった。 第4王朝初代スネフル王は,第3王朝末の階段ピラミッドを方錐ピラミッドとして完成したメイドゥームのピラミッド(底辺144.32m,高さ92m,勾配51度52分。現在は塔状に崩壊),建造中に勾配を変更(当初の54度31分13秒から高さ49.07mで43度21分へ)したダハシュール南の〈屈折ピラミッド〉(底辺188.6m,高さ101.15m),当初の計画どおり完成された最初の方錐形ピラミッドであるダハシュール北の〈赤色ピラミッド〉(底辺219.28m,高さ104.42m,勾配43度36分11秒)の3基のピラミッドの建造により真正のピラミッド形式を創出,同時に葬祭殿も東側に移し,〈ピラミッド複合体〉の原型をつくり上げる。…

※「スネフル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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